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P‐LOG エメラルド編

#85
最奥部にいたエリートトレーナーを倒すと、その後ろに縦穴が見えました。はしごを伝って下に降りてみます。
そこは視界のきかない暗闇に包まれていました。フラッシュがないと先に進むのは難しそうです。ためしに手探りで進んでみましたが、丸い岩が通路をふさいでいて通ることができません。怪力も必要なようです。

ポケモンセンターに戻って対策を考えます。必要な秘伝技はフラッシュと怪力、それ以外にも岩砕きなどもあったほうが良さそうです。ここに戻る途中、野生のコドラに遭遇しましたが、吠えるを使われ、残念ながら捕り逃がしてしまいました。素早く状態異常にして相手の動きを止める捕獲役も必要です。
悩んだ末、秘伝技の担当はトッド(キノガッサ♂)とマーチン(マリルリ♂)の2匹に決めました。さっそくトッドに秘伝マシンでフラッシュを覚えさせます。この先どこまで続いているとも知れないチャンピオンロードの長い道のりを、キラリン(アチャモ♂)、ピカ(ピカチュウ♂)、テンペスト(アブソル♀)、ブラースト(アブソル♂)の4匹のみで戦い抜くことになります。戦力ダウンは否めませんが、仕方がありません。厳しいバトルになりそうです。

「トッド、フラッシュよ!」
「キノーッ!」
トッドの全身が徐々に光を帯び、洞窟内を照らし出していきます。電気ポケモンのそれとは一味違う、緑がかったぼんやりとした光です。ひとまず視界が確保できたので、マーチンの怪力で邪魔な岩を排除して先に進みます。予想通り岩砕きが必要な場面もありました。さっそく行く手にトレーナーが立ちふさがりました。バトルです!

野生のコドラLv.40が現れました。今度こそチャンスを逃すわけにはいきません。トッドのしびれ粉は外れましたが、相手が突進を仕掛け、ぶつかった拍子に特性の胞子でマヒしました。すかさずマッハパンチでHPを削り、さらに頭突きでひるませ、スーパーボールでゲットしました。
再び下へと続く縦穴に行き当たりました。さらに地下深くへと降りていきます。

「ジムバッジをたくさん持ってるからって、油断しないでよ。上には上がいるんだから!」
「そうね…それがあなたかどうかはわからないけど」
サンドパンLv.42に対してワタシはテンペストを出し、剣の舞からのシャドーボールで攻撃しました。しかし相手の防御力の高さに手を焼き、切り裂く攻撃をくらいつつも2発目で倒すことができました。キュウコンLv.42はピカの10万ボルトと波乗り、トロピウスLv.42はキラリンの大文字で倒しました。
「…どう?」
「あなたのほうが上ね!自分の集めたジムバッジを見て、今までのトレーナーを思い出すのよ」

水の流れる音が聞こえてきました。地底の川です。小さな滝も注いでいます。釣り糸をたらしてみたところ、ドジョッチに混じってナマズンLv.35がかかったのでゲットしました。ピカの波乗りで対岸に渡り、階段を登ります。突き当たりのはしごを登ったところで技マシン29「サイコキネシス」を拾いました。そこでクチートLv.38もゲットできました。

トレーナーたちを次々となぎ倒しつつ進むと、再び川に出ました。先ほどの滝の上流に当たります。波乗りであたりを調べていると、新たなトレーナーが目に入りました。迷わずそちらに向かいます。
「家族全員でポケモンの修行をしてたんだ!誰にも負けないぜ!」
この人の顔、どこかで見たことがあるような…
テンペストが剣の舞を舞うとドードリオLv.42はトライアタックを放ち、テンペストはでマヒさせられてしまいました。彼女は2発目をぎりぎりで耐えしのぎ、つばめ返しでドードリオを返り討ちにしました。
代わって出たブラーストはユンゲラーLv.42をシャドーボール一撃で倒しました。キラリンはマルマインLv.42との大文字とスパークの撃ち合いを制し、最後のダーテングLv.42も大文字で焼き払いました。
「俺の家族より強い!?そんなことってあるのか!?」
「家族…家族ってまさか、あなたカチヌキ家の……」
「家族の誰よりも強かった俺……今まで誰にも負けなかった俺……だけど自信なくしちゃったよ。家に帰ろうかなあ」
彼はすっかりしょげかえってしまいました。掛ける言葉も見つからず、ワタシは黙ってその場を後にしました。

待ち受けるトレーナーは進むにしたがって手強くなっていきます。まめに傷薬を使ってはいますが、ポケモンたちはもはや満身創痍、早くポケモンセンターに連れて行ってあげたいです。ポケナビを見る限りあと少し、もうすぐ出口のはずです。
「ここまで来た人に何も言うことはない…行くわよ!」
「チャンピオンロードとは何か?勝てたら教えてやろう!」

相手はサーナイトLv.43とケッキングLv.43、こちらはテンペストとブラーストです。アブソル姉弟はケッキングの10万ボルトを耐えつつ、剣の舞を舞います。サーナイトがケッキングにスキルスワップを使い、特性のなまけを取り去りました。ケッキングの暴走を許すわけにはいきません。つばめ返しでケッキングを集中攻撃すると、トレーナーは回復の薬を使い、HPを回復させてきました。その隙に剣の舞でさらに攻撃力を上げ、つばめ返しの2連撃でついにケッキングを打ち倒しました。
勝機は見えました。2頭のシャドーボールはサマヨールLv.43には守るで防がれましたが、サーナイトを一撃で葬りました。集中攻撃で2匹目のケッキングLv.43を倒し、最後に残ったサマヨールもシャドーボールで倒しました。

「ここを無事に抜けきるってことが、ポケモンチャンピオンを目指す奴の最後の試練なんだ!だから、チャンピオンロードと呼ばれているのさ」
「ふん……いいわよ、あなたから先に行きなさいよ」
「…ありがとう。じゃあ、お先に!」

一気にトンネルを駆け抜けたワタシはまぶしさに目を細めました。明るさに慣れた目に映ったのは石積みの塀、そして澄み切った青い空に映える赤い屋根瓦の門でした。
道なりにしばらく進むと、全体を赤いスレートに覆われた巨大な建物が現れました。モンスターボールをかたどったシンボルが陽光を反射して輝いています。思わずワタシはその迫力に圧倒されました。

『これよりポケモンリーグ正面ゲート』
すべてのポケモントレーナーが目指す地、ポケモンリーグです。

おこづかい651941円  プレイ時間115:16  ポケモン図鑑105匹  バッジ8個
ゲットしたポケモン/コドラ、ナマズン、クチート



#86
正面ゲートのエントランスには、挑戦者のためにポケモンセンターとフレンドリィショップが備えられています。
ポケセンにみんなを預け、これからのことについて考えます。現在のレベルはキラリン、ピカ、テンペスト、ブラーストが44、ランス(ジュカイン♂)、アグル(ヌマクロー♂)が42です。リーグに挑戦するには今のレベルでは不安があるので、全員Lv.45まで上げることに決めました。とりあえず、まだ足を踏み入れていない123番道路東部へ向かうことにします。

ミナモデパートで必要なものをいろいろと買い揃えたあと、121番道路のさん橋から海に出ました。送り火山の脇を抜け、対岸を目指します。
送り火山かぁ…そういえば、奪われた2つの珠、マツブサとアオギリはあれからどうしたんだろう……
ふと気になったワタシは送り火山に寄ってみることにしました。

カゲボウズがさまよう霊廟を抜け、山腹をジグザグに延びる山道を登っていきます。霧の中を歩いていると、山頂のほうから足音とともに2つの人影がこちらに近づいてきました。
「…マツブサ、アオギリ」
2人はワタシの前を少し過ぎて立ち止まり、こちらを振り返ったマツブサはワタシに歩み寄りました。
「ハカセ…」
彼は無言で深々と頭を下げ、2人は山を降りていきました。
「彼らは…」
「2つの珠を奪った男たちが自ら返しに来るとは……あの2人…案外悪い奴ではないのかもな」
「そうですね…」
「大地と海と大空の化身…それが超古代ポケモンの正体ともいわれておる…わしら人間やポケモンに命があるように、この世界だって生きている…超古代ポケモンはわしたちにそのことを教えてくれたのさ…」
「ホウエンに残された言い伝えを語り継ぐのがわたしの役目。そして今、ルネで起こった事件は幕を閉じ、言い伝えは塗り替えられた……新たなホウエンの言い伝えを聞いていきなされ…」
「はい」

「遠い遠い大昔のこと…世界では陸と海のポケモンが激しい戦いを繰り広げていた。陸のポケモンは大地を盛り上げ地面を広げ、海のポケモンは荒波を起こして海を広げた。2匹の戦いは終わることなく、この世界は燃えさかる炎と吹き荒れる嵐で埋め尽くされた」
「そのとき!嵐の中から舞い降りてきたのが大空のポケモン…その緑に輝くポケモンは2匹の怒りを鎮めると、またどこかへと飛び去っていった。どこか遠い、空の彼方へ……」

122番水道を渡り、対岸の123番道路に着きました。林に自生している木の実の前には女の子が立っています。よく見るとメモを取りつつ、その木を観察しているようです。
「あたし、草タイプのポケモンだいすきなの!あなたは草タイプのポケモン持っていないの…?」
「うん、持ってるよ。ほら、ワタシのジュカイン!名前はランスっていうのよ」 「ジュウゥ!」
「あら!?」
ワタシがボールからランスを出すと、彼女は目を輝かせ、興味深げにいろいろな角度から眺め回しました。ランスも少々テレ気味です。
「あなたも草タイプのポケモンがだいすきなのね!うれしいからこれあげちゃう!友達のしるしよ!」
「わぁ、ありがとう〜!」
彼女から技マシン19「ギガドレイン」をいただきました。
「草ポケモンといっしょに木の様子を見て回ってるの。言ってみれば、木のお医者さんね」

さて、肝心のバトルはというと…
「送り火山は…ポケモンの魂が眠るところ……あなたのポケモンも眠る…?」
「オレ、マジ鳥ポケモンが好き!鳥イカス!鳥サイコー!」
「おい、きみきみ。じいちゃんとちょっと遊ぼうか」
ヘンなヒトばっか…
相手はみんなLv.30以下だったので、まあひとひねりでしたが。

今のとこ、レベルはみんな44、あと少しなんだけどなぁ……そうだ!
いい考えがひらめいたワタシは111番道路へとやってきました。
「お久しぶりでぇ〜すうっ!」
「あ!あなたはこのあいだのハカセさん!よーし、どのくらい強くなったか、さっそくインタビュー開始よ!」
2人のドゴームLv.33とレアコイルLv.33はキラリンとピカであっさりと倒しました。
「あなたのこと、注目してるわ!」

118番道路です。
「ど〜も〜!」
「あ!」
繰り返すこと10回…………

「ありがとうございました〜!!」
すでにボロボロのマリさんとダイさんは全速力で逃げるように走り去っていきました。しかし2人もたいしたもので、追いかけ回しているうちにポケモンのレベルは33から39に上がり、ドゴームはバクオングに進化していました。
とにもかくにもパーティー全員が目標のLv.45になり、ついにポケモンリーグに挑戦する準備が整ったのです。

と、その前に…

おこづかい706677円  プレイ時間117:34  ポケモン図鑑105匹  バッジ8個
ゲットしたポケモン/なし



#87
ワタシはミナモのポケモンコンテスト会場に来ていました。美しさ部門・マスターランクへのエントリーを行います。ポケモンリーグに挑む前に、一度けじめをつけておきたかったんです。
「がんばろうね、キラリン!」
「チャンモ!」
ステージのほうから観客のざわめきが伝わってきました。席を立ちます。

緊張しつつ、満員の観客席を見渡します。観客の数もいままでの比ではありません。

「はい!これよりマスターランクのポケモン美しさコンテストが始まります!出場されるトレーナーとポケモンのみなさんはこちら!」
「エントリーナンバー1番!アキナさんのニャーコ(エネコ)です!」 「ミャアッ!」
「エントリーナンバー2番!ヒトネさんのハナハナ(キレイハナ)です!」 「ハナァ!」
「エントリーナンバー3番!ナノハさんのマイン(マルマイン)です!」 「ガガーン!」
「エントリーナンバー4番!ハカセさんのキラリン(アチャモ)です!」 「チャモーン!」
「さあ、ポケモンの紹介が終わりました。一次審査に入りましょう!会場のお客様によるポケモンの人気投票です!ではさっそく始めましょう!投票お願いします!」
ここまでくるとどのポケモンもコンディションはみんな素晴らしく、一次審査ではあまり差がつきそうにありません。二次審査が勝負の分かれ目となりそうです。

「さあ!いま投票が終わりました!集計をしている間に二次審査に移りましょう!二次審査はいよいよお待ちかねのアピールタイム!技でアピールしまくりましょうー!では、はりきってどうぞ!レッツ!アピール!」
こちらには相手を妨害する技も、妨害を防ぐ技もありません。シンプルに攻めるだけです。
アピールの順番が発表されました。ファーストターン、キラリンは1番目です。キラリンは大文字でポイントを稼ぎましたが、キレイハナの花びらの舞に驚いて跳び上がってしまい、減点されてしまいました。
第2ターンは3番目になりました。日本晴れがうまくいき、審査員が期待してキラリンを見つめました。ポケモンたちの美しい技の競演に、観客席のボルテージは次第に上がっていきます。

第3ターンのアピールは2番目、絶好のチャンスです。ワタシはキラリンに指示を出しました。
「キラリン!真上に向けて特大の大文字よ!!」
「チャンモォ―――――ッ!!」
吐き出された炎のリングは上空で五方向に別れ、空中に巨大な「大」の文字を描き出しました。日本晴れの効果で、炎の勢いはさらに増しています。技の組み合わせが審査員に気に入られ、また観客席の盛り上がりも最高潮に達し、ポイントを一気にさらいました。大成功です!

しかし第4ターンとラストターン、もう一度日本晴れからの大文字を試みたものの、フラッシュで注目を外されたうえに、甘い香りやしびれ粉に気を取られて減点されたりと、キラリンはほとんど目立つことができませんでした。最後にマルマインが大爆発を使い、他を猛追してきました。キラリンがコンテスト用に育てたポケモンではないということもありますが、やはり他の参加者に比べてワタシたちの経験の少なさが現れてしまった感じです。

「はあい、そこまでえ――!みなさん素晴らしいアピールでした!これですべて終了です!お疲れさまでした!さて、残るはドキドキの結果発表ですね!発表は審査員のほうから行われます!」
「では…発表します!」
観客席は水を打ったように静まりかえり、全員が正面のディスプレイに注目しました。
まず一次審査の結果が映し出されました。キラリンの得点は10点中10点の満点、ここまではキラリンが他をややリードしています。続いて二次審査の結果の発表です。ワタシは祈るような気持ちでディスプレイを見つめました。

キラリンの得点は10点中6点、合計16点で2位のマルマインに4点差をつけ、キラリンの第1位が決定しました。中盤のリードが効いた形です。
「優勝!ハカセのキラリン!」
「エントリーナンバー4番、ハカセさん!そしてキラリン!おめでとうございます!」
観客席から大歓声と割れんばかりの拍手がわき起こりました。なんだか急に実感がわいてきました。
「……わあぁ、ありがとうございますぅ!!」 「チャモチャモォー!!」
「さあ!賞品をお受け取りください!」
ワタシは一度深呼吸して気を引きしめ、審査員の前に進みました。
「賞品としてこのリボンをお受け取りください!」
「ありがとうございます!」
祝福の声の中、ワタシは美しさ部門マスターランク優勝者のあかしである青いリボンを受け取り、キラリンにつけてあげました。キラリンもうれしそうに飛びはねています。思わずワタシはキラリンをかかえ上げ、抱きしめました。満場の拍手はしばらく鳴り止むことはありませんでした。

コンテストも無事終わり、ワタシとキラリンがエントランスホールで休んでいると、おなじみの画家さんが近づいてきました。
「優勝おめでとう!」
「ありがとうございます!」
「さっそく記念に君のポケモンの絵を描き上げたんだけど…なんだか君のポケモンのアピールがあまりにも素晴らしくて、いつもよりうまく描けたんだ!ほらっ、これ!」
彼はまだ絵の具のにおいが真新しい絵を手渡しました。鮮やかな虹色をバックに、ちょっとかしこまった感じのキラリンが描かれています。
「わぁ〜、きれ〜い!ほら見て!キラリン、あなたの絵よ」
「チャッ、チャモッ!!」
「どうかな?自信作なんだけど、気に入ったろ?これくらいの出来なら、美術館に飾られていても不思議じゃないね!」
「美術館…!」

ワタシはミナモ美術館の館長さんが特別展示室に飾る絵を探していたことを思い出し、彼に事情を説明しました。
「…え、ほんとに美術館で絵を探しているって?じゃあ、これ持っていってみようかな?」
「はい!そうしていただけるとうれしいです」
「そ、そうか!じゃ、今すぐ持っていってみるよ。タイトルもつけておくからね!これが気に入られて飾ってもらえているかどうか君も今度見に行ってね!じゃ、ありがとう!…あ、そうだ。ポケモンを描かせてもらった記念にこれを受け取ってよ!」
「あ、ありがとうございます!」
記念のリボンをいただきました。
「それじゃね!」
「はい!必ず見に行きますからね〜!」

おこづかい706677円  プレイ時間118:01  ポケモン図鑑105匹  バッジ8個
ゲットしたポケモン/なし



#88
ワタシはジョシュ(チルタリス♂)に乗り、サイユウシティのポケモンリーグ正面ゲートに降り立ちました。二重になったガラスのドアを抜け、中に入ります。ポケモンセンターのパソコンからポケモンたちを引き出しました。

「エレナ(グラエナ♀)、ミリア(マッスグマ♀)、トッド、ジョシュ、マーチン、あなたたちはここで待っていて…大丈夫、離れていても心はひとつよ。あなたたちの分までがんばってくるからね」
「ガルッ!」 「グオッ!」 「キノッ!」 「チル!」 「ルリィ!」
「キラリン、ピカ、テンペスト、ブラースト、ランス、アグル…今度の相手はポケモンリーグ屈指の実力を持つ四天王と、その頂点に君臨するチャンピオン…これからのバトルは、今まで経験したことのない厳しいバトルになると思うの」
「…だけど今まで、このときのために、みんながんばってきたんだもの!あなたたちなら必ず最後まで勝ち抜いていける!それだけの力が確かにある!」
「…みんな、ワタシを信じて。ワタシといっしょに戦って」
「チャモッ!」 「ピッカ!」 「アゥ!」 「ゥア!」 「ジュッ!」 「ゴロッ!」
「さあ、行こう!」

決戦の舞台へと続く中央の扉には、それを守るように2人の男が立っています。
「これより先は、すべてのジムバッジを集めたトレーナーだけが進めます!」
「トレーナーよ!君のジムバッジ、確認させてください」
ワタシはケースに収まったホウエンの8つのジムバッジを彼らに見せました。いろんな思い出が詰まったバッジです。
「トレーナーよ!おのれとポケモンを信じて進みたまえ!」
扉は開かれました。
キラリン(アチャモ♂、Lv.45)、ピカ(ピカチュウ♂、Lv.45)、テンペスト(アブソル♀、Lv.45)、ブラースト(アブソル♂、Lv.45)、ランス(ジュカイン♂、Lv.45)、アグル(ヌマクロー♂、Lv.45)の6匹でポケモンリーグに挑戦です!
暗闇に浮かび上がる階段を登り、第一の部屋に入ると、重々しい音を立てて扉が閉じられました。もう後戻りはできません。一気に緊張感が高まります。
広々とした室内には赤茶色の石盤が敷き詰められ、数多くのライトが中央のバトルフィールドを照らし出しています。そこには若い男が立っていました。ダークレッドのシャツに黒いベスト、ベージュのパンツという、いたって普通の服装の中で、前頭部を残してそり落とされた赤毛が異彩を放っています。彼は片手をポケットに突っ込んだままこちらに詰め寄ると、顔を近づけ、肉食獣が獲物を見定めるような鋭い眼でワタシを見ました。
ポケモンのタイプはいったい……!
「ようこそ、チャレンジャー!俺は四天王のカゲツ」
「…ワタシの名前はハカセです」
「うーん、いい顔してるな。なかなか楽しませてくれそうだぞ!いいぞ!いい感じだぞ!よーし、俺とお前とでポケモンリーグでしかできない戦いを楽しむとしようぜ!!」
距離を取り、ボールを投げます。

彼の1匹目はグラエナLv.46、悪タイプの使い手のようです。ワタシはキラリンを出しました。砂かけをものともせずキラリンが放った大文字は、グラエナをあと一歩のところにまで追い詰めましたが、回復の薬を使われ、逆に強烈な捨て身タックルをくらってしまいました。
もう一度大文字を撃ち、追撃をかけようとすると彼はグラエナを引っ込め、シザリガーLv.48に入れ替えてきました。キラリンの攻撃が空を切り、その向こうに狂気の入り混じったような笑いを浮かべるカゲツの顔が見えました。こちらも素早くキラリンを戻し、ランスを繰り出します。ランスは空元気を受けながらも、リーフブレード一太刀でシザリガーを仕留めました。

彼は自信たっぷりに3匹目のポケモンを繰り出しました。アブソルLv.49です。
相手はアブソル…ならばこちらも!
「いけっ、テンペスト!」
ボールから現れたテンペストを見たカゲツは目を見開き、ますます口角を吊り上げました。テンペストが剣の舞を舞って攻撃力を上げると、彼のアブソルは岩なだれでテンペストを攻撃しました。
…パワーではおそらく向こうのほうが上だろう。でも、スピードでは確実にこちらのほうが上回ってる……ここは一気に決める、それしかない!!
「テンペスト、破壊光線!!」
「カアアアァァ――――!!」
一点に集束したエネルギーは一瞬の静寂ののち、激しい光の奔流となって戦闘空間を飲み込みました。
光が弱まるのを待ってゆっくりと目を開けます。そこにあったのは地に伏せるカゲツのアブソル、そして静かに勝ち誇るテンペストの姿でした。

カゲツの顔が怒りで紅潮していくのがわかります。彼はグラエナを再度繰り出しました。キラリンはさっきのお返しとばかりに電光石火を見舞い、一撃でグラエナを倒しました。ダーテングLv.48の苦しまぎれの影分身にもかまわず、ブラーストはつばめ返し2発で葬りました。
彼の最後のポケモンはノクタスLv.46です。ワタシはピカを出し、目覚めるパワー「炎」を浴びせました。ノクタスは全身から煙を上げ、反撃することさえできずに崩れ落ちました。

「ふぅ〜、勝ったぁ…」
まずは1勝、緊張感から開放されたワタシは、ほっと胸をなでおろしました。
「おやおや、負けちまったよ。まっ、楽しんだからいいんだけどよ」
興が冷めたのか、彼は自嘲気味に鼻で笑い、賞金9800円をこちらに投げてよこしました。落としそうになりながらも、何とかそれを受け取ります。
そのとき、彼が背にしている扉が重々しい音を立てて開きました。第二の部屋へと続く扉です。
「負けた俺から一言、お前ならもっと先に進めるぜ。さあ、次の部屋へ行って、戦いを楽しんできなよ!」
彼はそう言うと、早く行けとばかりに首を振りました。
「ありがとうございました!」

バトルはまだ、始まったばかりです。

おこづかい716477円  プレイ時間118:37  ポケモン図鑑105匹  バッジ8個
ゲットしたポケモン/なし

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