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P‐LOG エメラルド編

#81
『ルネシティポケモンジム、リーダー・アダン 水もしたたるジムリーダー!』
いよいよ最後のジムです。今回のジム戦のメンバーは、キラリン(アチャモ♂、Lv.40)、ピカ(ピカチュウ♂、Lv.40)、テンペスト(アブソル♀、Lv.40)、ブラースト(アブソル♂、Lv.40)、ランス(キモリ♂、Lv.38)、アグル(ミズゴロウ♂、Lv.38)の6匹です。

分厚いガラス製の扉が開くと、妙に冷たい空気が流れ出してきました。外気とのあまりの温度差に寒気がします。
「…ちょっとぉ!なんでこんなに冷えてんのよ!?」
「元気しとぉや!!チャンピオンを目指すハカセ!!ルネシティのジムリーダー・アダンは水タイプポケモンを使いこなす!そして、アダンがいるところまでは氷の床が行く手をさえぎる…」
「氷の床?それで…」
「ごめんな!君に教えてあげられるのはここまでなんだ…!あとは自分できばってくれッ!」

階段を登った先には、氷の板が敷き詰められた小部屋がありました。上を歩くたびにひびが入るのがちょっと気になりますが、無視して先に進みます。さらにその先には氷の斜面があり、上の階に続いているようです。斜面に足をかけたそのときでした。
「きゃあぁ―――――!!」
ものの見事に足が滑って転倒すると、ひびが入っていた床が砕け、まっさかさまに下に落ちました。
「イタタタ…さ、さむむむううういいい!!!」
足元は雪、壁にはびっしりと霜が降り、吐く息が白いです。まるで冷凍庫の中にいるようです。ワタシがあまりの寒さに体をちぢこまらせていると、そこに誰かが近づいてきました。
「ジムリーダー・アダン様に教えてもらった華麗なテクニックを見せたげる!」
「へ!?」
彼女がラブカスLv.40を繰り出してきたので、ワタシはとっさにランスを出し、メガドレインで返り討ちにしました。どうやら、いつものジムの仕掛けのようです。

ランスはトサキントLv.40にじたばたで抵抗されながらも、メガドレインで相手の体力を吸い尽くしました。
「いいこと教えてあげるね。アダン様に会いたいのなら、すべての床を1回ずつ歩いていけばいいの」
「…ありがとう」
はしごを登ってスタート地点に戻り、氷の床に再挑戦します。言われたとおりにひとふで書きの要領ですべての床を踏むと、氷の斜面が音を立てて砕け、下から石造りの階段が姿を現しました。
…なるほどね。そうとわかれば、あとはただ前に進むのみ!

あえて下に落ち、リーダーとの戦いに備えてバトルを重ねていきます。
「あーあ、ダンナに出会う前にアダンさんに出会っていれば、今ごろは…」
下は10代から上は40代まで、彼は幅広い年齢層の女性に人気があるようです。きっとアイドル系に違いありません!
時々ポケモンセンターに戻って暖を取りつつ、ジムトレーナーならぬアダンファンクラブを全滅させ、ランスとアグルはLv.40になりました。凍てつく寒さと彼女らのギラギラとした熱気で、こちらもかなりHPを削られた気がします……

氷の床はすべてクリアしました。人工の滝が心地よい水音を立てています。正面のジムのシンボルの前には、おおよそ現代的とは言いがたいサテン地の青いロングコートを着た男がこちらに背を向けて立っていました。
アイドル系…?
「ユーは知っていますか?」
男はおもむろに振り返りました。年齢は50歳くらい、髪には白くメッシュが入り、左右にぴんと張った口ヒゲをなでています。
ナニ時代??!!
「ミクリにポケモンを教えたのは何を隠そう、このアダン…すなわち、わたくしだということを」
「…ええ、ミクリさんから聞いています」
「一度はジムリーダーから身を引き、このジムも彼に任せていましたが、ちょっとしたリーズン…すなわち理由が出来ましてね、もう一度カムバックしたのです」
「理由?そういえばミクリさんも同じことを…」
「…おっと、おしゃべりはこのくらいにして、そろそろ勝負を始めましょう。さあ、存分に御覧なさい。私とポケモンが織り成す水のイリュージョンを!」

アダンさんは華麗なボールさばきでラブカスLv.41を繰り出しました。ワタシはそれに対し、アグルを出しました。アグルはラブカスのメロメロにもうろうとしつつも、秘密の力で相手をマヒさせました。すかさずキラリンに交代させ、日本晴れをかけます。天使のキッスで混乱させられ、黄色ビードロで治している隙に水の波動を受けましたが、ダメージは微々たるものです。強い日差しで強化された大文字に、ラブカスはひとたまりもありませんでした。
二番手はトドグラーLv.43です。ブラーストは剣の舞を舞い、オーロラビームを受けながらも、シャドーボールで相手のHPを一気に削り取ります。すごい傷薬で回復するそばからシャドーボールを連続して撃ち込み、トドグラーを押し切りました。

三番手のナマズンLv.41に対して、ワタシはランスを出しました。
「ランス!ギガドレイン!!」 「キャモモーッ!」
ランスは相手のHPを一気に吸い尽くし、力を失ったナマズンはぐったりと動かなくなりました。
アダンさんの口ヒゲをなでる手が止まりました。片眉をぴくりと動かし、次のポケモンを繰り出します。

ボールから姿を現したのは、キングドラLv.46でした。彼の主力なのは間違いありません。レベル差に圧倒されますが、不思議と負ける気はしません。ワタシは満を持してテンペストをフィールドに送り出しました。
「大丈夫!あなたなら、きっと勝てる!」
テンペストは剣の舞を優雅に舞い、攻撃力を倍増させます。シャドーボールと冷凍ビームが激しくぶつかり合い、フィールドは濃いモヤに包まれました。2人が注視する中、モヤが次第に晴れていきます。
そこに立っていたのは、テンペストのほうでした。キングドラの冷凍ビームをギリギリのところで耐えしのいだのです。
最後のシザリガーLv.43を、ピカは10万ボルト一撃で倒しました。

アダンさんはわずかに驚きの表情を見せましたが、笑いながら手を叩き、握手を求めてきました。
「たははは!ユー・アー・ウィナー!すなわち私の負けです。ユーには誰にも負けない才能のきらめきが感じられます!しかし、私やミクリに比べると、ちょっと華やかさが足りませんな!私の服でも貸してあげましょうか?」
このコートを着たところを想像してみました……
「…ヤです」
「はっはっは、ジョークですよ!ユーには服の代わりに、このレインバッジを差し上げましょう!」
「あっ、ありがとうございます、アダンさん!」
8つめ、最後のバッジです。賞金9200円と技マシン03「水の波動」をいただき、アダンさんをポケナビに登録しました。
「ホウエンで集められるすべてのジムバッジを手に入れたトレーナーが行くべき場所、それがポケモンリーグ。ポケモンリーグに行くならば、ホウエン地方の最果て、サイユウという島に向かうのです」
「はい!」

「ホウエンで一番強いといわれるアダンに勝ったのかあ!!よし!君のトレーナーカードを見たまえ!すべてのバッジがそろっているなら、いよいよポケモンリーグに挑戦だ!」
「…おじさん、今まで本当にありがとう。アダンさんにはたくさんのファンがいるけど、ワタシはおじさんのファンだからね!」
おじさんは顔を赤くし、頭をかいていました。

おこづかい575469円  プレイ時間110:09  ポケモン図鑑096匹  バッジ8個
ゲットしたポケモン/なし



#82
ポケモンセンターです。
「あーあ、ルネシティのジムリーダーってすっごく素敵だから、ライバルがいっぱいなのよねー」
「ああ、いたね。なんていうか、みんないろんな意味で感覚がマヒしてる人たちばっかりだったけど…」
「このあたしが捨て身でぶつかってもダメだったわ!ねえ、あなた!せっかくだから、このあたしの直伝の捨て身タックル!あなたのポケモンに教えさせてよ!」
「…ゴメン、今のところいいよ」
「うん、もう!あなたにまでふられちゃったわ」

『ここはルネシティ 歴史が眠る神秘の街』
「火山の火口というわっかに囲まれた丸い夜空。その中ではたくさんの星が生きてるみたいに瞬くの…私が一番好きな景色」
ジム戦も無事終わり、ようやく街を見て回る時間が出来ました。青く澄んだ海を中心に、日の光を受けて白く輝く岩壁がそれを取り囲み、独特な美しい景観を作り出しています。階段状の斜面には異国情緒あふれる白壁の家々が立ち並んでいます。

「わー、久しぶりのお客さん!なんだかうれしいから、ホエルコの大きいぬいぐるみ、あげる!」
「ホント!?ありがと〜!」
ドスン!ぷちっ!(下敷)
「1/1だったのねえぇ〜」
「大事にしてね!」
ホエルコドールは玄関を破壊してワタシもろとも坂を転がり落ち、バウンドして勢いよく海にダイブしました。

ハスボーとタネボーとで、どちらのほうが大きいかを兄弟で言い争っている家がありました。今のところ、双方50.0cmが最大のようです。2人にしつこく聞かれたので仕方なくポケモンセンターに戻り、ハスボーとタネボーを連れてきました。
「50.9cm!!おお!こいつはでかい!兄貴が見たタネボーに負けない大きさかも!」
「50.1cm!!おお!こいつはでかい!弟が見たハスボーに負けない大きさかも!」
兄弟それぞれからPPエイダーをいただきました。しかし不毛な争いですね…

「うむう…ルネシティにこもること30年……わしが編み出した必殺の技マシン!お前に譲ろう!」
技マシン31をいただきました。
「技マシン31は瓦割り!説明するのも恐ろしい技よ…」
「あなたが技の開発者だったんですか…」
カントーでは3000円というお手ごろ価格で普通に売られているということは、黙っておいたほうがよさそうです。

ワタシは複雑に折れ曲がる階段を下りながら考えていました。目覚めのほこらのことです。
ミクリさんに会うために中に入ってから、ずっと頭を離れなかったことがあります。その最深部にあった広大な窪地の壁面には特異な赤い結晶と青い結晶が相対するように分布していました。グラードンとカイオーガを連想させる赤と青の結晶、「目覚めのほこら」という名前…これらの事実は、この場所こそが2頭の超古代ポケモンが生まれ出でた地であるということを傍証しているのではないでしょうか?そしてその結晶から作り出されたのが、太古の時代暴れ狂う2頭を鎮め、送り火山山頂に二つ並べて祭られていた紅色の珠と藍色の珠……そう考えればつじつまが合います。
結晶のサンプルを採取して分析すれば、きっと何かわかるはずです。階段を降りる足が自然と速まります。

「これは大発見なんです!お願いです、そこを通してください!この世界の謎が、またひとつ解き明かされるかもしれないんですよ!!」
「ここは目覚めのほこら……けれど災いが消え去った今、ほこらも静かに眠るのです…」
「でも…!」
老人はほこらに立ち入ることをかたくなに拒みました。
結局、核心に迫ることが出来ぬまま、その場を去るしかありませんでした。研究者として、とても悔しいです……

「おねえちゃん、名まえなんていうの?」
草地に寝転がり、ぼうっと夕日を見ていたワタシは、不意に声をかけられ、体を起こしました。そこには淡いブルーのワンピースを着た小さな女の子が立っていました。

「え……ああ、ワタシ?ワタシの名前はハカセよ」
「へー、いいねー。わたしはキリっていう名まえなの。パパとママが、すくすくとそだってこころのあたたかい女の子になってほしい、っていうねがいをこめたんだって!」
「へぇ、そうなんだ…」
「おねえちゃんにもこれあげる。あと、おねえちゃんにはキリのだいすきなこの木のみもあげちゃう!」
彼女は持っていたトートからノメルの実、そしてイアの実を取り出し、ワタシにくれました。
「…ありがとう」
「おねえちゃんの名まえには、どんなねがいがこめられてるの?」
「名前に込められた願い、かぁ…そんなこと、考えたこともなかったなぁ。今度パパとママに聞いてみるね」
「はる、なつ、あき、ふゆ。はるに生まれるとはるがすきで、なつに生まれるとなつがすきなのかな?」
「それはどうなんだろう…ワタシは秋生まれだけど、一番好きなのは春だしね。うまくいえないけど、生まれたばかりの小さな命をそっと包み込む優しさ、っていうのかな……まあ、人それぞれだと思うよ」
「そっか…かんけいないのか…しりたいことってたくさんあるなー」
「フフ…ありがとう、キリちゃん。おかげでワタシ、なんだか元気出てきたよ!」

明日はサイユウシティに向かおうと思います。

おこづかい575469円  プレイ時間111:14  ポケモン図鑑096匹  バッジ8個
ゲットしたポケモン/なし



#83
海藻が生い茂る中、たくさんのチョンチーの群れとすれ違いました。マーチン(マリルリ♂)の発する球形のフィールドに守られ、頭上の光に向かってゆっくりと上昇します。
フィールドがはじけ、海面に出ました。今日もいい天気です!

ひと休みしようと浅瀬に上がると、トレーナーが勝負を挑んできました。
「ポケモンリーグに挑戦するため、今までがんばってきた……ここで負けるわけにはいかないわ!」
最初のクサイハナLv.34はキラリンの大文字一撃で倒しました。次のマリルリLv.34にはランスを出し、捨て身タックルを受けながらもメガドレインを使い、勝利しました。キラリンとランスはLv.41になり、ランスは見切りを覚えてジュプトルに進化しました。
「ジュウゥ!」
「おめでとう、ランス!」
「ここまで来たんですもの。一度負けたからってあきらめない」
「…そうよね!あなたもがんばって!」
がっちりと握手を交わし、彼女と別れました。負けられないのは誰しも同じなんです。

次々と海上のトレーナーを倒し、128番水道を東へと進んでいきます。ピカとアグルがLv.41になりました。

ゴーッという爆音にも似た音が聞こえてきました。巨大な滝です。幅200m、落差50mはあるでしょうか、とめどなく流れ落ちる激しい水流は滝つぼに濃い霧を発生させています。ポケナビによれば、このすぐ上にサイユウシティがあるはずです。
秘伝マシン07を使い、マーチンに穴を掘るのかわりに滝登りを覚えさせました。
「じゃあ、お願いね!マーチン、滝登りよ!」
「ルーリィーッ!!」
マーチンは球状のフィールドを張り、まるで流れのゆるやかな小川を進むかのように、ゆっくりと滝を登り始めました。立ち込める霧を抜けて順調に上昇を続け、次第に滝の落ち口が近づいてきました。
サイユウシティに到着ーっと!
…シティ……って、なんにもないしー!!
『ここはサイユウシティ 花と海とポケモンの楽園』
滝を登りきった先に広がっていたのは、何もないただの丘陵でした。一面に色とりどりの草花が咲き乱れています。街なんてどこにもありません。あるのは小さなポケモンセンターただ1軒のみです。美しい花畑の中を少し歩くと、荒々しいむき出しの岩山が見えてきました。そこには大きな横穴があり、看板が立っています。
『これよりチャンピオンロード』
…ま、そんなに楽はさせてくれないか…セキエイ高原もそうだったしね。

ポケモンセンターでみんなを休ませます。大きな話し声にふと横を見ると、そこにいたのはエニシダでした。彼は受付の人となにやら話しこんでいましたが、こちらに気づくと話しかけてきました。
「ハカセちゃん、ついにポケモンリーグだね!私も応援したかいがあったよ!」
「…実力です」
「もし、ハカセちゃんがポケモンチャンピオンになったら…」
「…」
「…そのときはまた連絡するからね。じゃ…ハカセちゃん、がんばってね!」
彼はそう言うと、いつものようにどこかへ行ってしまいました。

ハジツゲタウンに飛び、技教えマニアのところでランスにリーフブレードを覚えさせました。サイユウシティにとんぼ返りし、装備を整えます。メンバーはポケモンリーグを想定したキラリン、ピカ、テンペスト、ブラースト、ランス、アグルの6匹に決めました。
「チャンピオンロードの長くて険しい道のり…まるで、今まで歩いてきた道を思い出させるかのようだな。君、自分のポケモンを信じて頑張りたまえ!」
「はいっ!」
チャンピオンロードに突入です!

洞内は薄暗く、湿っぽい空気が流れています。ここから先、バトルに飢えたトレーナーたちが数多く待ち構えているはずです。気は抜けません。
突然、岩陰から小山のような大柄のポケモンが現れました。野生のハリテヤマです。レベルは40と高く、野性ポケモンとはいえ、そのパワーはあなどれません。キラリンを出して大文字で攻撃しましたが、特性が厚い脂肪のほうらしく、期待したほどのダメージを与えることができません。それでも何とかHPを削り、スーパーボールでゲットすることができました。その後、続けてドゴームLv.40、ゴルバットLv.40をゲットしました。
ポケモン図鑑をチェックすると、発見数が140、捕獲数がちょうど100になっていました。ホウエン地方にはおおよそ200種類のポケモンが生息しているといわれています。これでようやく半分、まだまだ先は長いです。
がんばらなきゃ!

おこづかい588797円  プレイ時間112:19  ポケモン図鑑100匹  バッジ8個
ゲットしたポケモン/ジュプトル(キモリより進化)、ハリテヤマ、ドゴーム、ゴルバット



#84
エリートトレーナーはレアコイルLv.43を繰り出してきました。ワタシはキラリンを出し、大文字一撃で倒しました。
次のベトベトンLv.43に対してアグルを出すと、相手は小さくなるを使って回避率を上げ、放ったヘドロ攻撃でアグルは毒を食らってしまいました。ブラーストに交代して剣の舞を舞います。ベトベトンは小さくなると溶けるを使い、持久戦の構えを見せましたが、ブラーストはつばめ返しでじわじわと相手の体力を削り、ついにベトベトンを倒しました。キラリンはLv.42になりました。
「ここで負けた……ということは、まだチャンピオンになる資格がなかったということか…」

しかしこれでようやく1人目、意外にもトレーナーに出会うことがありません。チャンピオンロードに入ってかなりの時間が経っているというのに、この静けさは不気味な感じすらします。単にワタシの考えすぎならいいのですが。

ほとんど回ったみたいだし、後はここだけか…
岩場に刻まれた階段を登り、つり橋を渡ってさらに奥へと進みます。

そのときです。駆ける足音が聞こえてきました。近づいてくる足音に振り返ったワタシは、我が目を疑いました。
「あっ!ハカセさん!」
「ミツルくん!!なんで…」
彼は膝に手を置いて荒い息をつき、汗をぬぐいつつ話しました。
「ぼくが、こんなところにいるなんて、驚いたでしょ!」
「う、うん…もう、走っても大丈夫なんだね。よかった……!ということはあなた、ジムバッジを8つ集めて…」
「ぼくがここまで来れたのはハカセさんのおかげだよ!あのときハカセさんに負けたから、ぼくは強くなれたんだ!」
「ミツルくん…」
「…だけど!」
「ぼくはもう負けない。ぼくに勇気と元気をくれたポケモンのためにも勝つんだ!」
彼は今までの弱々しさを微塵も感じさせない、力強い表情を見せました。ワタシの心には少しの驚きとともに、うれしさがわきあがってきました。
「そう!その心意気よ。今までいっしょに戦ってきた仲間たちのためにも、ワタシも最後まで戦うわ!」
「それでは…いきますよ!」
「ええ!」

ミツルくんはチルタリスLv.44を、ワタシはアグルを繰り出しました。チルタリスが神秘の守りをかけたところに、アグルは冷凍ビームを撃ち込みました。しかし、4倍ダメージの弱点を突いたにもかかわらず、チルタリスはHPを1/3近くも残しています。
アグルに続けて冷凍ビームを指示したところ、彼はとっさにチルタリスを戻し、レアコイルLv.41を出して冷凍ビームをしのぎました。こちらがキラリンに替えた瞬間、レアコイルの10万ボルトが直撃し、キラリンはそのままの姿勢でぱたりと倒れました。急いでボールに戻します。
「ゆっくり休んで、キラリン…」
チルタリスもレアコイルもよく育てられてる。それにトレーナーの指示も的確……想像以上に、強い!

ミツルくんのほうを見ると、彼は真剣なまなざしでこちらの様子をうかがっていました。思わず笑みがこぼれました。
「お願い、ピカ!目覚めるパワーよ!!」 「ピッカ!!」
ワタシはピカを繰り出し、目覚めるパワー「炎」でレアコイルを一撃の元に倒しました。HPの残り少ないチルタリスはブラーストのシャドーボールで一撃、エネコロロLv.43にはランスを出し、特性のメロメロボディを警戒してギガドレインで体力を削り、リーフブレードでとどめを刺しました。

ピカにロゼリアLv.44を倒されてもなお、ミツルくんの瞳は輝きを失ってはいません。彼はモンスターボールの最後の1個を取り出してじっと見つめ、優しくボールを投げました。ボールから光がほとばしり、ポケモンの形を取りました。
それはサーナイトLv.44でした。

 「やった…ぼくの…ぼくのポケモンだ…!!」
 「おめでとう、ミツルくん!」

あのとき、トウカでワタシたちが初めて出会ったときに、あなたがゲットしたラルトス…こんなにも立派に育ったんだね。
「ゆけっ、テンペスト!」
ワタシはテンペストを繰り出しました。テンペストが剣の舞を舞い、攻撃力を倍増させると、サーナイトは影分身を始めました。その姿が揺らめき、次々と分身を増やしていきます。
「分身に惑わされないで!感じるのよ!……テンペスト、シャドーボール!!」 「ガゥア!!」
テンペストが放ったシャドーボールは的確に本体を捉え、サーナイトは力を失い、ゆっくりと崩れ落ちました。テンペストとブラーストはLv.41に、ランスとアグルはLv.42になり、アグルはハイドロポンプを覚えました。

ランスとアグルの体が光に包まれました。進化です。2つの光の塊は大きく膨れ上がり、それが安定するとはじけ散りました。
スマートな緑の体と鋭い目つき、がっちりとした青い体と力強いまなざし…ランスはジュプトルからジュカインへ、アグルはミズゴロウからヌマクローへと進化したのです。
「ランス、アグル、進化おめでと…」
キンセツシティでのバトルのときの彼の落ち込む姿がふと頭をよぎり、ワタシは思わず口ごもってしまいました。

「うわぁ!やっぱりハカセさんは強いよ!」
予想外の声のトーンに我に帰りました。振り返ると、彼は悔しげに笑っていました。
「…今回はハカセさんに勝てなかったけど、いつかきっと追いついてみせるからね!」
「うん、またバトルしようね。約束よ!」
ミツルくん…本当に強くなったんだね!

おこづかい598325円  プレイ時間113:13  ポケモン図鑑102匹  バッジ8個
ゲットしたポケモン/ジュカイン(ジュプトルより進化)、ヌマクロー(ミズゴロウより進化)

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