P‐LOG エメラルド編
#49 |
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119番道路に入ると、目の前に人の背丈ほどもある深い茂みが広がりました。その前で自転車に乗ってうろうろしているトライアスリートがいたので話を聞いてみると、長い草がタイヤに絡まって先に進めなくて困っているということでした。こういうところにこそ珍しいポケモンがいるに違いありません。茂みの中でちらちらと動きまわる影が見えます。野生ポケモンでしょうか?
いざ茂みをかきわけて近づいてみると、その正体はポケモンではなく、人間でした。
「モノマネだいすきな人が集まって作ったモノマネサークル!出会ったそのとき、勝負が始まる!」
「はぁ?モノマネサークルってなによ?」
彼のテッカニンLv.25はテンペスト(アブソル♀)のつばめ返しの前に露と消えました。
「キミもモノマネサークルに入らない?」
「だから、モノマネサークルってなによ!?」
昆虫マニアはさすがマニアだけあってケムッソ、カラサリス、アゲハントと次々繰り出し、進化の過程をひととおり見せてくれました。同様にケムッソ、マユルド、ドクケイルというパターンの人もいました。出してくるのはみんな虫ポケモンばかりなのでバトルはアブソル姉弟の独壇場です。
「もっとキミのマネをしたい!ほら、早く動いてよ!」
「君が進んだら僕らも進む。君が右へ曲がれば僕らも曲がる…」
「マネをして何が楽しいか……ふふふ…キミにはわからないだろうよ」
キモッ!!!!
テンペストがLv.30、ブラースト(アブソル♂)がLv.29になりました。
野性ポケモンを探して茂みの中を歩き回っていると急に激しい雨が降り出し、そればかりか雷まで鳴り出しました。茂みを抜けたところに一軒の家があったので、そこで雨宿りをさせてもらうことにしました。
「ぴひょ」 「ぴひょ」 「ぴひょ」 「ぴひょ」 「ぴひょ」 「ぴひょ」
扉を開けると、そこにはたくさんのキャモメたちと1人の女の人がいました。時折キャモメがバサバサと羽音を立て、ワタシをかすめて飛んでいきます。ママからTVの名作映画劇場で見たという、鳥ポケモンが人間を襲う恐怖映画の話を聞いたことがありますが、それはちょうどこんな感じだったのでしょうか?
「どこかに目覚めのほこらと呼ばれる洞窟があるんですって!ポケモンの魂がよみがえるところという噂だけど、そんなこと本当にあるのかしら?」
「目覚めのほこら、ですか?ワタシは聞いたことないですねぇ…」
雷雨は治まるどころか、ますます激しくなるばかりです。電気タイプのピカ(ピカチュウ♂)がいるので雷がこっちに落ちてこないか心配ですが、強引に先に進むことにします。川を渡ると対岸に釣り人がいました。
「おじさん!この辺で珍しいポケモン見かけませんでした?」
「私に話しかけた…つまり勝負を挑むつもりだな!よーし、波乗りしながら釣り上げたポケモンで戦うぞ!」
ポケモンは釣れたてらしく、たいして強くはありません。コイキングLv.29、メノクラゲLv.20と次々倒すと、彼はヒンバスLv.26を繰り出してきました。釣れる場所がごく狭いポイントに限られ、進化するとあの美しいミロカロスになるというポケモンです。以前、モモカ(ルビー2)がポケモンコンテストで優勝したナルシス(ミロカロス♂)を自慢げに見せてくれたときには、思わず見とれてしまいました。
「そのとってもステキなポケモン、どこで釣れたんですかぁ?
ねぇ、お・し・え・て☆」
せいいっぱいコビを売ってみましたが、おじさんはぜんぜんのってきてくれません。
「あっそ」
手のひらを返してさっくりやっつけ、残りのキバニアLv.23も片付けました。ピカがLv.31に、ブラーストがLv.30になりました。
とりあえず彼のとなりで糸をたらしてみると、キバニアLv.20が釣れました。そうそうヒンバスなんて釣れるものじゃないですね。また今度、時間があるときに試してみることにしましょう。
おこづかい169946円 プレイ時間073:27 ポケモン図鑑063匹 バッジ5個
ゲットしたポケモン/キバニア
#50 |
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ポケモンレンジャーや鳥使いなどの数多くのトレーナーとのバトルや豪雨のせいで、ワタシもポケモンたちもかなり体力を消耗しています。キラリン(アチャモ♂)、ミリア(マッスグマ♀)、テンペスト、ブラーストがLv.31になっていました。アブソル姉弟が早くも他のみんなに追いついたかたちです。
目の前に大きな建物が見えてきました。
『天気研究所』
気象観測所のようなものでしょうか?ちょっとのぞいてみたい気もしますが、いまはポケモンたちの回復が優先です。しかし町へと続く橋はアクア団によって封鎖されていました。
「俺たち、ここで見張りをしているのさ。おい、おまえ!危ないから天気研究所には近づくなよ」
「見張りって意外とヒマだなあ…おい、おまえ!お願いだから天気研究所には近づくなよ」
そんなこと、言われてもねぇ……
彼らに気づかれないように建物内に忍び込みます。やはりアクア団は中にもいます。入ってすぐのところに仮眠室があり、小さな男の子が1人隅でうずくまっていました。ワタシは男の子に声をあげないように合図し、ちょうどそこにあった回復装置でポケモンたちを回復させました。これでキンセツシティまで戻らずにすみます。
「…どうしたの?お姉ちゃんに話してみて?」
「ぼくがベッドでねてる間に、みんな2かいに行っちゃったよ」
「2階ね?ワタシが見てくるから、あなたはここに隠れてるのよ」
団員を次々と倒して2階への階段を駆け上がると、上りきったところで挟み撃ちにあいました。
「この研究所で生み出されたポケモンは天気と関係あるって聞いたからいただきに来たのさ!」
「あなたも天気に関係のあるポケモンを探しに来たの?だめよ!あたしたちが先にいただくんだから!」
…この研究所で生み出されたポケモン?
キラリンとテンペストはポチエナLv.27二匹、ズバットLv.27、キバニアLv.27に圧勝しました。
「ここで生み出されたポケモンがもし天気を自由に操れるなら絶対アクア団に必要だぜ!」
「ふん、いいさ!あたしたちが本当に欲しいのはもっと他に…イヒヒヒ」
「残ってるのはあなた一人よ。もうあきらめたほうがいいんじゃない?」
「オーッホッホ!我々アクア団の邪魔をしようというの!?もう怖いもの知らずといおうか、ただの愚か者といおうか…かわいらしすぎて憎らしくなっちゃう!」
「そりゃどーも」
「やっつけてあげるわね!」
キバニアLv.28はキラリンの目覚めるパワー、グラエナLv.28はピカの10万ボルト一撃で決着がつきました。口ほどにもありません。キラリンはLv.32になりました。
「マグマ団だけでもめざわりなのに、あなた、どうして私たちのまわりをチョロチョロかぎまわっているの!」
「ナニ言ってんの!そっちがワタシの行く先々に勝手に出てくるんでしょ!?」
突然、団員が息を切らして部屋に駆け込んできました。
「大変です!たったいまマグマ団の連中が天気研究所を通過して、送り火山方面に向かっていきました!」
「なんですって!えーい、こうしちゃいられない。我々も送り火山に急ぐわよ!オーッホッホ!マグマ団め、待ってなさーい!」
アクア団はあわてて研究所を出て行きました。奥の部屋に監禁されていた人たちを助け出します。
「ありがとうよ。君のおかげで助かったよ。お礼といっては何だが、このポケモンをもらっておくれ」
ポワルンLv.25をいただきました。この研究所、どこかうさんくさい感じがします。アクア団員が言ったとおりであれば、このポワルンはミュウツーと同じように人間の手によって作り出されたポケモンなのです。
「私も長い間雨の研究をしてるが、天気を自由自在にかえるだなんて人間には無理な話だよ」
「だからポケモンの力を利用しようと?」
彼は口元をゆがませ、話半ばで立ち去ってしまいました。
「もう安心よ。悪いヤツらはみーんなやっつけちゃったからね!」
「お姉ちゃん、強いんだね!ぼくもお姉ちゃんみたいなポケモントレーナーになりたいや!」
「フフ…じゃあ、あなたが大きくなったらバトルしようね!」
ワタシは天気研究所を後にしました。
おこづかい190218円 プレイ時間074:34 ポケモン図鑑065匹 バッジ5個
ゲットしたポケモン/トロピウス、ポワルン
#51 |
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「ハカセ!ここでポケモン探してたのか?」
「ユウキくん!珍しいね、後から来るなんて。ワタシのパパ、強かったでしょ?」
ワタシは正直、ホッとしました。久しぶりに会えてうれしかったです。
「どれくらい強くなったか試してやるよ。さあ!勝負だぜ!」
「…うん!よろしくね!」
ユウキくんはワタシのいつもと違う反応に調子が狂ったのか、けげんそうな顔をしていました。
彼が最初に繰り出してきたのはハスブレロLv.29です。ワタシはキラリンを出しました。
「キラリン、がんばって!」
「チャモッ!!」
交代はしません。ワタシは相手が水タイプの攻撃技を持っていないと読みました。ハスブレロは最初に猫だましを仕掛け、自然の力が変化したスピードスターで攻撃してきました。キラリンはスピードスターをしのぎつつ気合いだめをし、目覚めるパワーで反撃します。二度目の攻撃がハスブレロの急所をとらえ、大ダメージを与えたところに電光石火でとどめを刺しました。
次のマグマッグLv.29はピカの波乗りで一撃でした。ピカはLv.32になりました。
最後は彼の主力、ヌマクローLv.31です。ワタシはミリアを出し、頭突きを仕掛けました。ヌマクローのマッドショットも素早いミリアの足を止めるには至りません。ミリアは突進をかわし、恩返しと頭突きでヌマクローを倒しました。
「ふうん…けっこう強くなってるんだな」
「でしょー?」
「それならどこでポケモン探しても大丈夫だな。これやるから使ってみろよ!」
秘伝マシン02「空を飛ぶ」をもらいました。
「ありがとう!…ワタシ、ユウキくんを追い越しちゃったんだよね。もーう大きな顔はさせないわよ!」
「…じゃ、オレ先に行くよ」
ユウキくんは自転車を思いきり飛ばし、ヒワマキ方面に消えていきました。
「うふふ!やるねえ、ハカセちゃん…!」
またこの人です。エニシダはワタシがそっぽを向いているのもおかまいなしにしゃべり続けました。
「いま自転車に乗ったトレーナーとすれちがったんだけどさ、君あのトレーナーに勝ったんだろ?わかるよー!だってあの子、真っ赤な顔してすっごく悔しそうだったからね!」
「それ、ホントなの!?」
「それにしても、君とはいろいろなところで会うね!この後はヒワマキジムに行くのかな?ジム戦も期待してるよ!じゃ、また会おうね!」
エニシダは言うことだけ言うと去っていきました。
意外でした。だってユウキくんはどれだけ負け続けようがそれを悔しがる様子も見せず、いつも余裕たっぷりにふるまっていたのですから。ああ見えて彼にも繊細なところがあったのです。ワタシが軽い気持ちで口にした「追い越しちゃったんだよね」という言葉も彼にはこたえたのかもしれません……なんだかちょっと切なくなってしまいました。
『ここはヒワマキシティ 木の上で自然とたわむれる町』
トレーナーを何人か倒し、ようやくヒワマキシティに到着しました。雨も上がり、雲の切れ間からまぶしい太陽が顔を出しました。青空がきれいです。
「この町は木の上に家を立てて暮らしている…そのせいかみんな元気で生き生きとしているのですよ。わしもこの町に来てから30年ほど若返った気分です」
あたりを見回すと、この町の家々はすべてツリーハウスになっていて、それぞれの間はつり橋で結ばれていました。町を見てまわろうとさっそく上に登りましたが、それにしてもこのつり橋は怖いです。まあ切れることはないでしょうが、足を踏み出すたびにギシギシ音がし、風が吹こうものなら大きく揺られてしまいます。
1軒の民家に入るとそこには老夫婦がいました。
「人もポケモンも自然の中で暮らすことで元々のパワーが目覚める…おぬしのパワーが目覚めているか確かめるとするかの……どれ…わしの右手と左手、どちらにコインが入っておるか直感で選んでみなさい」
「直感かぁ…えーと……じゃあ、左!うん、間違いない!」
「残念…ハズレじゃ…」
1回目、2回目と予想がことごとく外れ、すでに3回目のチャレンジです…
「おお!見事じゃ!おぬしのパワーは目覚めているの!これをあげるからおぬしのポケモンもパワーを目覚めさせてやるとええぞ!」
技マシン10「目覚めるパワー」をいただきました。ワタシの直感があてにならないってことは十分にわかりました……
「ふん…ばあさんめ、目覚めるパワーなどに頼りおって…」
はうっ!!なんかちょっとグサッってきた……
「わしといっしょにお昼寝して寝言でも言ってたほうが楽しいのに。もうあんたのポケモンでもええわ。寝言を覚えて使ってみんか?」
「…いえ、結構です」
「そうかいそうかい…みんな目覚めるパワーが大好きかい」
おじいさんはすねてしまいました。ホントごめんなさい!
おこづかい197076円 プレイ時間076:10 ポケモン図鑑065匹 バッジ5個
ゲットしたポケモン/なし
#52 |
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「痛ぁ!」
ワタシは何かに弾きとばされ、しりもちをついてしまいました。そこには見えない壁のようなものがあるらしく、恐る恐る指で押してみると微妙にやわらかい感触がありました。よくあるジムの仕掛けの一種でしょうか?様子見のつもりでしたが、どうやら後回しにせざるをえないようです。
「君の持ってるそれ何?」
「これのこと?ポケモン図鑑よ。ワタシはホウエン地方のポケモンの調査をしているの。新しいポケモンに出会ったり、ゲットしたりするたびにこの機械が記録していってくれるのよ」
「へー、ポケモン図鑑っていうんだ?すごいねえ!」
「ポケモン図鑑で思い出したことがあるよ。珍しい石を探してるとき、ダイゴってトレーナーと出会ったけど、あいつのポケモンすごいね!珍しいだけでなく、恐ろしいほど鍛えられてた!もしかしたらこの町のジムリーダーよりも強いかも…」
「へぇー、ダイゴさんってスゴイんだ…」
かっこよくてその上ポケモンバトルも強いなんて、ダイゴさんのことがますます気になっちゃいました。しかしジムリーダーよりも強いとは…いったい彼は何者なのでしょうか?
「誰も信じてくれないけど、大きなポケモンが体をくねらせ、空を飛んでいるのを見たんだ…」
「えっ!?大きなポケモン?そのポケモン、どこで見たんですか?」
「そいつは131番水道のほうへ飛んでいったよ…」
ポケナビのマップを開いて確認してみましたが、ここからはずいぶん遠いようです。おじさんからはそれ以上の情報は得られませんでした。
町には家具店もあり、机とイスが豊富にそろっています。秘密基地の場所が決まったらまた見にくることにしましょう。
ともかくジムには入れないので次の町、ミナモシティを目指すことにします。120番道路を進むと、おなじみのインタビュアーの2人組の姿が目に入りました。いつもどおりポケモンバトルとなります。
ドゴームLv.30とレアコイルLv.30に対して、ワタシはテンペストとブラーストを出し、剣の舞からのシャドーボールとつばめ返しで苦もなく勝利しました。アブソル姉弟はLv.32になりました。
「じゃあ、戦いの後の感想をビシッと一言でどうぞ!」
「ワタシのアブソル、名前はテンペストとブラーストっていうんですけど、本当に強いんですよ!いうなれば、『ひとたび放たれれば、必ずや敵を倒す』っていう感じですかね。本当に頼りになる『仲間』です!」
ワタシは2人と別れ、行く手をさえぎる深い茂みに突入しました。それにしても気になるのは、さっきからまるでこちらの様子をうかがうかのように白っぽい影が見え隠れしていることです。
ワタシはその気配が渦のように回転しながら次第に間合いを詰めてくるのを感じました。
「いけっ、テンペスト!ブラースト!」
アブソル2頭を繰り出し、防御態勢をとります。
「そこ!シャドーボール!!」
2頭が放ったシャドーボールは地面をえぐり、あたり一帯は土煙に包まれました。
姿を現したのは野性のアブソルでした。体はやせ細り、毛皮も薄汚れ、ただ目だけがギラギラとした光を放っています。立派な体格をし、美しい毛並みを持ったうちのテンペストやブラーストとはまるで異なっていました。ワタシはそのアブソルに妙な既視感を覚えました。
「……まさか…あなた、あのときの!?」
野生のアブソルは何も答えてはくれません。敵意に満ちた目でにらみ、低いうなり声を上げてこちらを威嚇するばかりです。
そのときテンペストとブラーストは姿勢を低くし、攻撃する体勢をとりました。
「グルルルルゥ」
「テンペスト……!」
「やめて!!あのコはあなたたちの血を分けた兄弟なのかもしれないのよ!!」
「ガゥウ!!」
テンペストはワタシの言葉を無視してつばめ返しを放ち、その切先は野生のアブソルの肩口を的確にとらえました。ブラーストは深手を負ったアブソルに対して、なおも攻撃を仕掛けようとしています。
ひとたび放たれれば、必ずや敵を倒す……!
「やめて……やめなさい!戻れぇっ!!」
テンペストとブラーストは攻撃姿勢をとったまま、ボールに吸い込まれました。
野生のアブソルは息づかいも荒く、フラフラと体をよろめかせながら茂みの中に消えていきました。
アブソルたちが指示通りに戦ってくれていると思っていたのはワタシだけだったのです。ワタシは全身の力が一気に抜けていくような感じがしました。
おこづかい203956円 プレイ時間076:59 ポケモン図鑑065匹 バッジ5個
ゲットしたポケモン/なし